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- シニア犬とのワンライフ ~ 準備編 ~
一度でもシニア犬との生活をしたことがある飼い主さんであれば、シニア犬はカワイイ😍、ということに同意してくれると思います。パピーにはパピーの可愛さがありますが、シニアにもシニアらしい可愛さがあります。パピーの可愛さは一瞬、数ヶ月で終わってしまいますが、シニアの可愛さは年単位で続きます。目が丸くなって、顔も穏やかになり、歩き方もトテトテ🐾と・・・その姿はたまらなく愛らしく、愛おしい😆 一生懸命に歩く、頑張ってゴハンを食べる、ジィ~ッと飼い主を見つめてくる、なにより一生懸命に生きている! すべてが可愛いです😃
まだ若いワンちゃんと生活をしている飼い主さんにとっては、シニア犬との生活をネガティブに考えていないでしょうか? 「年を取って病気になったらどうしよう」「年を取ったら介護しなきゃいけないのよね… 大変かも」「今は良いけど、歳を取る=お別れの時が近いということだよね😢 イヤだ…😭」など、ワンちゃん犬が歳を取ることは寂しい、悲しい、大変...イヤなことだけしか思い浮かばない方は、多いのかもしれません。
ひな 17歳10ヵ月
楽しく、そして一生懸命
自分の犬生を生きました😊
ただ、犬のライフステージで一番長い時期は “シニア期” です。このシニア期を楽しく、活動的に、そして元気に長く!過ごせるかは、シニア期になる前までの飼い主さんの行動がカギになります。ここで、犬のライフステージを確認してみましょう。
- パピー期(~12ヵ月齢)
- 成犬期(1~6歳)
- シニア期(7歳~)
大きく分けると上記の様となりますが、最近ではは、年齢に合わせたフードの種類が増えて
- パピー期(~5ヵ月齢)
- ジュニア期(6~12か月齢前後)
- 成犬期(1~6歳)
- シニア期(7~12歳前後)
- ハイシニア期(13歳以降~)
に分けている場合もあります(※ あくまでも目安、犬の大きさによっても違います)
1歳4ヶ月頃のひな
17歳9ヶ月頃のひな
本当に当たり前のことですが、犬の犬生・時間は生まれた時から旅立ちの時まで、ずっと繋がっています。パピー期はパピー期でひとまとまりで終わり。シニア期はシニア期でひとまとまりで終わり。他の年代には影響しない・・・ということはないです。ずっ~とひとまとまりで繋がっています。
その為、パピーの頃の問題に対して何も対応していなければ、成犬期にも、シニア期にも、ハイシニア期にも、それは問題となります。もちろん、時間が経てば解決するものもありますが、ほとんどの場合、勝手に解決することはありません。このことは、しっかりと覚えておいてください。
コワ~イ顔
ご機嫌斜めのひなさんでした💦
シニア、ハイシニアになると、お世話をする機会も、手を貸す機会も、病院やご家庭で治療をする機会も増えてきます。つまり、触られる機会、我慢してもらう機会も増えてくるわけです。飼い主さんとしては、良いことをしてあげているのに、犬的にはイヤなこと、気に食わないことをされている!という、相反する状態になってしまうんですね。そして「もういい加減にしてよ! アナタの為にやってあげてるのに!!」と、イラッ💢となるのは、お世話をしている側、つまり飼い主さんということです。
私も投薬に手こずり、ひなに対し怒りをぶつけたことが多々ありました。ひなも何をされているのかわからないし、嫌なことをされているしで、必死の抵抗だったのだと思います。冷静になればそう思えても、その時は、こちらも必死!😓 投薬の練習を小さい頃からシッカリしておけば良かったなぁ・・・と、反省💦 まぁ、別の対処法で対応できたので良かったのですけどね。この方法と関係してくるのが、後ほど説明するオヤツ&食べ物問題です。
大げさなことではなく、“しつけ” ができているか、できていないかは、その子の健康や寿命に少なからず影響を与えます。毎日のように体を触れていれば、病気の早期発見に繋がることもあります。診察をする、治療をすることができれば、健康を取り戻すことができる可能性が高まります。入院ができれば、治療法の選択肢が広がります。なにより、ワンちゃんが病院大好きな子であれば、飼い主さんも「何かおかしい」と気づいた時点で、迷わず、すぐに診察を受ける気持ちになると思います。
冷たく聞こえるかもしれませんが、獣医師、動物看護士は、どんな犬でも治療することができるわけではありません。たまに、「自分たちは扱えなくても、病院に行けば何とかしてくれる」と言っている飼い主さんがいますが、それは大きな間違えです。人に対して攻撃的な犬、触ることができない犬を治療することはほぼ不可能です。できたとしても、その場で鎮静を掛けて治療することも。さらに継続治療が必要な場合は、入院は難しいので、在宅での投薬治療になる可能性高いです。
「口輪さえできたら…」「カラーさえ着けられたら…」「飼い主さんが保定できたら…」 鎮静は必要ないでしょうし、病院での治療も時間が掛からないので、犬の負担も減ります。口輪やカラーの装着、シッカリした保定に否定的な方もいらっしゃるようですが、それらを問題なくできる子が “しつけができている子” だと、私は思っています。
エリザベスカラーを着けて治療中
次は、もうちょっと身近な、日常生活に関わってくる“しつけ” の紹介です。ここで1つ覚えておいてください。犬は年をとっても学習することはできます。ただし、覚えるのに時間が掛かります。また、今までの経験と知恵があるので、新しいことを覚えてくれないこともあります。経験からイヤなことを回避できる術を知っている、ということを忘れないでください。ちなみに、その経験をさせたのは飼い主さん自身ですからね。もし、今現在、その壁にブチ当たっている飼い主さん、過去に戻れたら、過去の自分に注意してあげてください!
シッカリしつけができてれば、一緒に旅行にも行けますね
いつまでも若々しく、元気に過ごすには“刺激”が大切😉
日常生活の中で、レベルアップしておいた方が良い “しつけ” に、できるコマンドを、ハンドシグナルや他の動作でもできるようにしておくことがあります。
犬は年齢と共に、視覚・聴覚などの感覚器が鈍ってきます。「最近、ウチの子、耳が遠くなったのよねぇ~ 歳かなぁ~」と感じることで、ワンちゃんの老化を認識することも多いです。耳が遠くなっただけで、目が見えづらくなっただけで、体は元気!という子にとって、行動を制限されるのはストレスになってしまいます。そこで役に立つのがハンドシグナルや、関連させている行動・しぐさです。
耳が聞こえづらくなってきたワンちゃんがハンドシグナルのコマンドを覚えていれば、それを見て、飼い主さんが何を言おうとしているのかがわかります。それは安心に繋がります。目が見えづらくなってきたワンちゃんには、声のコマンドが頼りになります。
さらに一般的なコマンドにプラスして「止まれ」「進め」「右」「左」「前」「後ろ」「段差」など歩行に関するコマンドを教えておけば、安心してお散歩に行けます。「頭」「耳」「足(左右前後)」「背中」「お腹」「シッポ」などの体の部位のコマンドを教えておけば、触る時にやお手入れの際に犬を驚かせてしまうことも少なくなると思います。
目も耳も悪くなってきたワンちゃんには、触れるコマンドを出していきます。例えば、背中を頭からお尻の方に向かって触ったら「オスワリ」とか、肩のあたりを触ったら「フセ」、横からお腹に手を入れたら「立って」、足を触ったら「その足を持ち上げる」など。また、お散歩の時には、リードをチョンチョンと右に引いたら「右に曲がる」、左に引いたら「左に曲がる」、後ろに引っ張ったら「止まる」などでしょうか。
飼い主さんがワンちゃんとの生活の中で必要だと思われるコマンドを、まだ目も耳も頭も?!しっかりしている間に教えておくと良いでしょう。シニア・ハイシニアになった時に、そのコマンドが生活に潤いを与えることになりますよ。
爪切り我慢中のひなさん
まだ余裕がありますね~
時間が長くなってくると、
ムキッとなるけど、ガブッは我慢!
ちなみに、私は小さい時からひなに「ガマン」というコマンドを教えていました。「ガマン」と言われた時には、嫌でも我慢しないといけない!と言うコマンドです。ひなの大嫌いな爪切りの時、家での治療の際、ひなさんは最後まで「ガマン」のコマンドを頑張ってくれました。時々「無理!」となることはありましたが(笑)、かなり頑張ってくれました👏
それともう1つ、「落ち着いて」とのコマンドです。ハイシニアの子たちから時々聞くのですが、今までは大丈夫だったのに、ちょっとしたことに不安になって落ち着かなくなったり、パニックになったりすることがあります。ひなさんもそういうことがありました。その時に、「落ち着いて」のコマンドで、落ち着きを取り戻させたことがありました。「落ち着いて」のコマンドはシニアに限らず、若い世代でも必要なコマンドだと思うので、教えておくと役に立ちますよ。
次に食べ物について。「準備編で食べ物? なんで??」と思う方が多いと思います。でも、めちゃくちゃに関係してきます。まず、最初に言っておきますが、ここでは、「どのフードが良い」とか「手作り食が良い・悪い」などを言うことはありません。ワンちゃんの健康状態や、飼い主さんの主義等もあるでしょう。しかし、どの主義主張であっても、飼い主さんの思い込みや気分ではなく、ちゃんとした知識やデータに基づいた食事管理をしてください。毎日の食事は、犬の健康に大きな影響を与えます。飼い主さんの「いつも同じモノ(=ドライフード)をあげていると可哀そう😢」などの気持ちだけで、色々なモノを与えることは、犬の健康を損なうことになるので止めてください!と、忠告しておきます。
ハイシニアにとって食欲低下は命取り
ひなさんは旅立つ数ヶ月前あたりから
食欲が低下してきたので、缶詰トッピングを開始!
缶詰は投薬の時にも活躍してくれました😉
ちなみにひなさんはドライフードを食べ続け、17年10ヵ月の天寿を全うしたと思ってます。
生涯で食べたフード種10種類もないと思います。そのうち5種類くらいは、ハイシニアになってから食べた腎臓病用の療法食です。基本、療法食はそんなに美味しくはない… でも食べ続けないと症状が悪化する… ので、好みのチェックで何種類かのフードを試しました。2種類の療法食を混ぜて与えることも。
食事管理が上手くいったので、腎臓病を患っていましたが、17歳10ヵ月、元気に生きることができたと思ってます。
ハイシニアになると、ほとんどの子はなんだかの療法食を一度は処方されると思います。この時、療法食を食べるか食べないかは、今までの食生活に関わってきます。今まで、ちょっと食べないからと言ってトッピングをする、フードを変える、フードを止めて人間の食べ物を与える・・・そうやって過ごしてきた子は、療法食はほぼ食べないです。そうなると、症状が進んでしまうことがあります。
そして何より、毎日の食事は犬の寿命に影響を与えます。ひなも含め、16歳以上の子たちに共通して言える元気の秘訣は、『お散歩』と『食欲』です。長寿の子たちは、ハイシニアになっても毎日シッカリとお散歩に行き、食欲も旺盛です。オヤツを食べる食欲ではなく、いつものフードや、いつのもゴハンをシッカリ食べる食欲があります。だから健康で元気!と言えます。
さらに重要なポイントが、今まで色々な食べ物やオヤツを食べてこなかったからこそ、ハイシニアになって食欲がなくなってしまった時に、食べられるモノの選択肢が多く残っているということです。ハイシニアの子の食欲不振、食欲低下は、命にかかわることがあります。そのくらい、重大なことです。食べたことのない味、食べたことがないニオイが、食欲を刺激します。また、お薬を混ぜて飲ませることも可能になってきます。その余地を残すためにも、元気な時にはあまり色々なモノを与えない方が良いですよ。
ワンちゃんがハイシニアになってから、「若い時に教えていれば良かった…」「子犬の時からやっておけば良かった…」「若い時からもうちょっと注意していたらこんなことにならなかったのに…」などの言葉を、飼い主さんたちから聞きます。ハイシニアになった時には、まさしく “後の祭り” ということにも。そうならない為にも、現役世代のワンちゃんたちは色々なことを学んで、挑戦して、健康で元気に、楽しくシニアライフを過ごせるように準備してもらいたいなと思っています。
現役シニア&ハイシニアのワンちゃんたちは、最期の時まで自分で動けて、自分で食べられる、楽しいワンライフを過ごしてもらいたいと思っています。ハイシニアまできたら、「コレが自分の生きる道!」😁 なにか “しつけ”上のトラブルがあっても、そう教えたのは飼い主さん! ワンちゃんに「アレして~」「こうして~」とお願いするより、飼い主さんが臨機応変に対応した方が良いでしょう。そして、妥協することでお互いが楽になれることもありますよ。
ワンちゃんを見て、毎日ネガティブな感情でいるなんてもったいない! 限りある時間です。シニア&ハイシニアのワンちゃんたちと、限りある時間を明るく、楽しく、笑いでいっぱいになるような過ごし方をしてください。次回の『実践編』では、私がひなさんに対して行ったサポートを紹介していこうと思っています。最期の日々は、毎日が「そう来たか~😆」の連続でした。最期まで、ひなさんに笑わされ、ひなさんを笑わした日々でした。そんな毎日も紹介できたらと思っています。