コンテンツへスキップ

シニア犬とのワンライフ ~実践編~

  1. Home
  2. >
  3. Doggy Topic
  4. >
  5. シニア犬とのワンライフ ~実践編~

実際のシニア犬との生活を見ていきましょう!
準備編でも書きましたが、シニア期は7歳以降とされています。しかし、実際に「おじいちゃんワンコさんですねぇ~」「おばあちゃんワンコちゃんね~」と言われるようになる=見えるようになるのは、ハイシニア期の12、13歳以降でしょうか? ただ、いつも決まりきったコースの散歩だけ、飼い主さんとのコミュニケーションも少ない、他の人・犬との関りもほとんどない、ワンちゃんは、シニア期に入った途端に老け込んでしまう子もいます。逆に、シニア期に生活を送っている子たちは、ハイシニア期でも若々しいです。

海をバックに笑顔のひな

14歳になったばかりの頃

ネモフィラをバックに立つひな

11歳半ばの頃

ひなさんもよく「えぇ~~見えない~ 若ぁ~い!😮」と言われてました。飼い主としては、密かに自慢でしたね😁 実際、ひな「あぁ~年取って来たなぁ~ おばあちゃんの顔になってきたなぁ~」と思ったのは14歳頃だったと思います。それまでは美魔女ではなくだったので(笑)、年齢不詳でした😉

リフトに乗っているひな

13歳半ばの頃

刺激に満ちた生活を送らせてあげられるのは、飼い主さんだけです。「年を取ったからもう無理だよね…」「もう年だし、色んな所に連れていく方がストレスだよね…」「しつけができてないから、遠出や旅行に連れて行くなんて論外!」と思われている飼い主さんもいるかもしれません。

「年だから」旅行も、遠出も無理ということはありません。その子の健康状態が良ければ、旅行も遠出も可能です。ワンちゃんの体調にあった移動距離、休憩時間を取りながら出掛けてくださいね。
ひなさんも、結構、色んな場所に旅行に行きました。コロナ禍さえなければ、もうちょっとお出掛けできたのになぁ...残念😢

「連れて行く方が(ワンちゃんには)ストレス」なのは、今までお出掛けをしたことがないワンちゃんにはストレスです。しかし、今まで一緒にお出掛けしていたワンちゃんにとっては、どこにも行けないのはストレス。ただし、感覚器が弱ってきているワンちゃんにとっては、混雑している場所を歩くのはストレスになることも。混雑している場所ではカートやカバンに入れて移動してあげるなど、対応をしてあげてください。
ひなさんは14、5歳頃まで、私と一緒にお仕事現場に行ってました。若いワンちゃんたちの指導しつつ、エネルギーをもらっていました。

チワワにニオイを嗅がれるひな

12歳半ばの頃

「しつけができていないから論外!」というのなら、今できていることをちょっとだけアレンジして、いつもとは違う刺激を与えてみてください。例えばご近所のお散歩コースを変えたり、歩いて行ける範囲でちょっとだけ遠出してみたり、1本だけ違う道を行くのも新しい冒険です。そして、シニア期なら再トレーニングだって可能! 諦めるのではなく、何ができるのか、どんな方法なら可能なのか、考えてみて欲しいです。しつけを実行するのはですからっ!

公園の階段を登るひな

16歳半ばの頃

できないことを並べて
「やっぱりできない…」と嘆くより

できることを並べて
「コレも、アレもできる! スゴイ!」
となった方が楽しい!
ハイシニアなら新しいことを始めるより
今まで培ってきた経験を活かす方が⭕

枯葉の上を歩くひな

16歳になったばかりの頃

シニア期はもちろん、ハイシニア期だって、新しいことを覚えることは可能です。ただし、若い頃に比べて、新しいことを覚えるのには時間が掛かります。その代わり、長年の経験があるのでそれを利用して、それを活かしながら教えてあげられれば、新しいことだって覚えられます。経験値が高いからこそ飼い主さんの反応を見ながら、どれが正解か導き出す能力は持っています。パピーにはない能力です。まさしく! 飼い主さんはワンちゃんとコミュニケーションを取りながら、もしかするとパピーの頃により楽しく?!教えていくことができると思いますよ。

12歳半ばの頃

ドッグゲートの前で考えるひな

初スイングドア体験
最初はイマイチ何が起きてるのか
わからなかったけど…

やり方がわかれば~ 🎵

ドッグゲートを潜るひな

結構簡単だった! 便利だった~😆
一度閉め出されたけど、
アタシの頭脳で解決したわっ!

by hina

ひなさんは16、7歳頃に、今までやらなかったようなイタズラをし始めました。中でもゴミ箱ブチマケ事件は、「ちょっとひなさん、おばあちゃんになってから一体何やらかしてるの?!😠」と口で言いつつ、「どうやったの?🤔」と、頭の中は?だらけ。我が家のゴミ箱ピッタリ閉まるタイプで、取っ手もないし、ペダルを踏んで開けるタイプ。いくらひなさんでもペダルは踏まないようなぁ?🤔っと...
そんなある日、現行犯で目撃。フタに鼻を押し当て、プンっと上に持ち上げていたんですよ💦 衝撃的でした😱  きっと人が手で蓋を開けるのを見ていたんでしょうね。もちろんその場でひなさん、なにやってらっしゃるんですか?😑」と言ったら「ヤベっ! いたの?!😐」という顔で、すっ飛んで逃げていきましたが、ゴミ箱の中をブチマケていなければ、大絶賛していたかも?! ひなさんの観察能力と考える力に脱帽🤣

年と共に寝る時間が増えてきたり、筋肉が痩せていってしまったり、視覚・聴覚など感覚器が衰えていくのはしょうがないことです。ただ「しょうがない」と諦めてしまうこともありません。寝たきりにならないように、適度な運動をしていくことで、筋力の衰えをなだらかにしていく。色々な刺激を与えていくことで頭を活性化させて、ヤル気を保っていくことは健康にも繋がります。

プラス、生活環境の対策もしていくと良いでしょう。寝ている時間が長くなる分、体に負担が掛かり過ぎないように寝ている場所に高反発のマットを敷いてあげるのも⭕ 体に優しいのは低反発では?と思われますが、低反発のマットだと立ち上がる時に足元が不安定となってしまい、立ち上がりにくくなってしまいます。立ち上がりがスムーズであれば、自力で動ける機会が増え、動ける期間も長くなります。

ひなの部屋

14歳半ばの頃
一般的なベッドとマット 
ちょっとだけ、厚めにしてあるかな?

ひなの部屋

16歳半ばの頃
高反発のマット(右側)導入

ひなの部屋

17歳10ヶ月 旅立ちの1週間ほど前
体への負担が少なくなるように
マットを敷き詰めました
段差を低くして歩きやすくしました

年を取ったから動き回るのは危ない!と、行動範囲を制限してしまうのは可哀そう。いつもの場所を安全に動けるように対策をしておけば、ワンちゃんもハッピー😃だし、飼い主さんも安心😊 ちょっとした安全対策で、ワンちゃんが今まで通りに動けることは良いことです。飼い主さんにはちょっとだけ手間(=例えば、フェンスを動かしたり、跨いで移動する手間)があるかもしれませんが、そこは何年も一緒に暮らしてきた相棒の為に協力してあげてください。

ベッド用の階段

15歳目前 前庭疾患になり設置
落下した時に大丈夫なように
横には長座布団を重ねて設置
昇り降りの時に足が滑らないように
タオルやマットを敷きました

段差対応のフェンス

17歳9ヶ月頃 
足元がフラついてきたため設置
ひなさんの為と言いつつ・・・
自分の不安解消の為!だったかな😅

ひなさんはベッドの上で良く寝ていたので、ベッドに上がるためのステップを用意し、万が一落ちた時、ケガをしないようにクッションを敷いておきました。ひなさんの名誉の為に言っておきますが、一度も落ちたことはありませんでした👍 ちゃんとステップを使って、上手に昇り降りしていましたよ👏

また、ゴハン&お水の場所の先に段差があったので、フェンスを置いて、その先に行けないようにしました。ウッドデッキから下りて小庭に出る2段の階段横にも、隙間に落ちないの様フェンスを設置して安全対策をしました。こちらも、ひなさんがフェンスのお世話になることはありませんでした😆 しかし飼い主は、日々、安心を感じてました😌

安全対策でもう1つ。もし、シニア期のワンちゃんと一緒に暮らしている飼い主さんで、「ちょっと家具を移動したり、模様替えしたいのよねぇ~」と考えている方は覚えておいてください。家具を移動させるような模様替えは、ワンちゃんの時に行うようにしてください。
実は、犬の頭の中には、お家の中の地図がしっかり記憶されているので、目が見えなくなっても、その配置に変化がなければスイスイ動くことができます。しかし、その配置が変わり、地図とは違う状態になってしまうと、途端に怖くて動けなくなってしまったり、家具にブツかってケガをすることもあります。そのため、家具の移動は目の見えている内に!が鉄則。目が見えていない状態での家具の移動は極力避けてください。

シニア、ハイシニアになってくると、調子を崩して病院に掛かることも増えてきます。病気と闘う日々も出てくるでしょう。犬は自分が具合が悪いから病院に連れてこられた、先生や看護士さんが手当てしてくれると気分が良くなる、このお薬を飲めば痛いのがなくなる・・・と、考えられる子は少ないと思います。気分が悪い、痛いから、抵抗も激しくなってしまいます。もちろん、若い時から通って、しているワンちゃんであれば、先生や看護士さんを信用しているので、そこまで大きな抵抗はないかもしれません。

犬は抵抗する時には口が出ます。そういう時に役に立つアイテムが口輪であり、エリザベスカラーです。この2つができれば、治療がスムーズに進む場合があります。見かけからなのか?「可哀そう」と言われることも多いですが、治療がスムーズに進まずに大騒ぎになったり、治療ができないことの方がなのでは? 「ウチの子は言うことを聞かないから着けられた」と考えずに、「トレーニングができている子だから着けられる!」と考えてもらいたいです。実際、口輪、エリザベスカラーが着けられる子は優秀ですよ😉

エリザベスカラーを着けたひな

16歳半ばの頃
歳と共に皮膚が弱くなり、傷になることも
治療用にMyエリザベスカラーを用意!

カートに乗るひな

15歳半ばの頃
カートに乗れば混んでる場所も問題なし!
歩く距離が短くなってもカートに乗って
同じ距離を散歩ができました🐾

あともう1つ、病気になったり、足腰が弱くなってお散歩がままならない状態になった時、もしくは立てなくなってしまった時に役に立つのが運ぶアイテムです。中・大型犬であればカート、小型犬であればカートはもちろんキャリーバックやリュックに慣れておくと役に立ちますよ。

さらに抱っこ!の練習です。特に大型犬は、飼い主さん的には「犬が自分で歩くのが当たり前、持ち上げられない!」と考えているためか、カートの練習や、抱っこをする練習をしていないことが多いです。その為、足腰が不自由になった時に「どうしよう・・・😱」となることが、本当に本当に多いです。大型犬を抱っこするなんて・・・と思うでしょうが、、ちょっと・・・など、ちょっとした時に、体を持ち上げられることに慣れていると、とても役に立ちますよ。

今まで問題なく、簡単にできていたことに手助けが必要になるのがハイシニア期です。「今はできているから問題ない」とは考えずに、「将来のことを考えて、ちょっと練習しておくか!」と考えてみてください。備えあれば患いなし😉ですよ。

ハイシニア期になれば、体のどこかに不調が出てきてもおかしくないお年頃です。突発的な病気はなかなか前兆を掴むことが難しいですが、ジワジワ進行している病気の前兆は、定期健診でチェックできることが多いです。10歳を過ぎたら、特に健康上の問題のないワンちゃんでも、年2回の定期健診をしておくと良いと思いますよ。ワンちゃんの状態によって健診の回数は変わってきますので、主治医の先生と相談してみてください。

ワンちゃんの様子が急に変われば、飼い主さんが焦るのは当然です。ただ、ワンちゃんも気分が悪かったり、焦っている時に、飼い主さんも慌ててしまえば、ワンちゃんはさらにパニックに。飼い主さんはなるべく落ち着いて、「大丈夫」ということを言葉や態度、表情でワンちゃんに伝えてあげてください。飼い主さんはワンちゃんにとって、頼りになる存在でなければいけません! 内心焦っていても、その様子をワンちゃんに見せずに、まずは落ち着いて病院に連絡を取るか、受診してください。

ワンちゃんの病気が判明した時。「なんで?」「どうして?」「ヤダ・・・」などネガティブな感情になってしまうことはしょうがないです。ただ、それをいつまでも引きづっていると、ワンちゃんの『生きる』気持ちに影響を与えてしまいます。病気本体には獣医学的な治療が必要ですが、ワンちゃんが持つ自然治癒力を高めてあげられるのは飼い主さんです。ワンちゃんと共に、病気に向かい合ってください。一緒に戦ってあげてください。きっとワンちゃんは力の限り、頑張ってくれると思います。

そして治療に向き合う時、いつも笑顔でポジティブな雰囲気で過ごすことを心掛けてください。治療をすることで元気になるのは想像できても、ポジティブな雰囲気が「そんなに影響があるの?」と思う方がいるかもしれませんが、断言します、あります! 「こんなこともできなくなっちゃって…」ではなく、「コレもできるね!」「今日はコレができたね!!」と声を掛けてあげてください。それだけでも、ワンちゃんも飼い主さんもテンションあがります👍

ひなは15歳目前に、前庭疾患になりました。後日、思い返してみれば、朝の散歩の時に、なんでもないところで ふらついた のが前兆だったのかな? その日の夜に大きくふらついて倒れてしまいました。本人も何が起きたのかわからず立てないことに焦っていたので、まずは落ち着かせ、抱き上げて安全な場所へ。この時、眼振を確認したので、翌日、受診することに。診察、検査の結果、前庭疾患と診断されました。
緊急性のある症状や、どうすれば良いのかわからない時には、まずは主治医に連絡を! 連絡がつかない場合は、夜間病院へ行くことも選択肢の1つです。

15歳目前 前庭疾患を発症

闘病中のひな
斜頸の時のひな

約2週間後の様子
まだ斜頚はありますが、
動きも食欲も順調に回復

完治が難しい病気であったとしても、そのことをワンちゃんは知りません。自分が頑張れるところまで、頑張って生きます。ワンちゃんが自分らしく、自分の時間を最期まで生き抜けるように。治療を、そして気持ちを支えていくのは飼い主さんです。
ワンちゃんとの別れを想像すると辛いです。だからといって、落ち込んでいる姿を見せているだけでは、ワンちゃんの助けになりません。辛くても、悲しくても、寂しくても、その時は確実に来ます。ワンちゃんに悲しい気持ちでその時まで過ごさせるのか、楽しく、充実した日々を過ごさせてあげられるのかは、飼い主さん次第です。ワンちゃんのために頑張ってください。頑張るのに疲れてしまった時には、一緒に頑張ってくれている家族、病院スタッフ、そして犬友さんに話を聞いてもらいましょう。もちろん、微力ながら私もその輪に入りますので! 一緒に頑張りましょう👊

リビングに敷き詰められたペットシート

17歳9ヶ月頃 
リビングルート
正面のドッグゲートから出て行きます

忘れがちですが、しっかり覚えておいてください! 犬にもプライドがあります。特にトイレに関して。年齢的なことや、病気、治療の影響もあって、ハイシニア期におトイレ問題が再燃することがあります。「失敗ばかりして… 前までできたのに😔」「なんでできないの!😠」と言い続けないようにしてください。それより、失敗できないような環境を作ってあげてください。おトイレの場所を多くしてあげても良いです。広くしてあげても良いです。パピー期のように、しそうなタイミングでおトイレに連れて行ってあげても良いです。「できたね!😀」と言えるような状況を作ってあげてくださいね。

ひなさんは、人がいる時には小庭に出て行っておトイレをしていました。それが最後の1ヶ月ほどは難しくなり、たどり着く手前でしてしまうように。その為、小庭に出るルート(リビングルートとキッチンルート)にトイレシーツを敷き詰めて、「どこでもどうぞぉ~」という環境を作りました。さらに状態が悪くなった時には、ひなさんが動く場所、すべてに敷き詰めて(笑)、「どこでもどうぞぉ~ 失敗(でき)ないよぉ~」としてあげました。最期の時まで、おトイレは自力で行きたかった、ひなさん。それが彼女のプライドでしたね😊

パピーちゃんや若いワンちゃんの飼い主さんは、「えぇ~~~信じられない! トイレの中で過ごすみたいでイヤ~😖 またパピーの時に戻るなんてムリ~😱」と、きっとなるかな?! しかし、ハイシニアのワンちゃんと過ごしたことのある飼い主さんは、「別に大したことないでしょ おトイレしてくれるだけでありがたい😆 出ないことの方が心配!」と言うかな?!(笑) 

なぜですかねぇ~ パピーの時は許せなくても、ハイシニアだと不思議となんでも許せちゃうんですよね😆 長年一緒に暮らしてきたワンちゃんへの愛情と、感謝の気持ち💕からなのかな?! とにかく1日でも長く、元気に、ストレスなく過ごして欲しいと思うのでしょうかね😉

キッチンに敷き詰められたペットシート

17歳9ヶ月頃
キッチンルート
ドアを開けてもらって出て行きます 

一緒に暮らし始めた頃は、『お別れの日』はうっすら、ボンヤリとしか見えていなかったと思います。それがシニア、ハイシニアとなってくると、その『お別れの日』が現実的になってくる、なってきていると思います。そうなった時、「今日も“おはよう”“おやすみ”って言えたね」「今日もゴハン、ちゃんと食べれたね」「今日もお散歩行けたね」「今日も夕日が見れたね」… 何気ない1日がとても大切な1日だと気づくでしょう。
この子と過ごせる時間は、減ることはあっても、増えることない。『お別れの日』は確実に近づいて来ている。それを実感するのが、ハイシニアとの日々なのかな。だからこそ一日一日を大切に、一日一日が良い思い出となるように過ごしてくださいね。

笑顔でカートに乗るひな

17歳9ヶ月 旅立ちの10日前
17年4ヶ月、一緒に楽しく過ごせたね
ありがとう!

最期の時、ワンちゃんの目に映るのが、大好きな飼い主さんの笑顔でありますように
ワンちゃんが飼い主さんからの「よく頑張った」「ありがとう」「大好きだよ」という、大好きな言葉と共に旅立てますように
飼い主さんがワンちゃんからの「ありがとう」「大好きだよ」「いつも一緒だよ」というメッセージを受け取れますように
飼い主さんのとって、そしてワンちゃんにとって、一緒に過ごした時間が掛け替えのない、すばらしい時間となりますように