Puppy Party  ~社会化ってなに?!~

皆さん “ Puppy Party   ~パピーパーティー ~ ” ってご存知ですか?
主催者によって異なりますが、生後2ヶ月齢~6ヶ月齢くらいのワンちゃんが参加できるパーティーです。まだワクチンプログラムが終了していないワンちゃんが、他のワンちゃんたちや家族以外の人(=他の飼い主さんたち)とコミュニケーションをとる機会として、動物病院やペットショップなどで開催されています。

私は仔犬の社会化を促進していくことを目的としたパピーパーティーを開催している『仔犬の社会化促進プロジェクト委員会 ~PUPS~』に参加しています(*現在は活動を終了しています)
PUPSのパーティーでは「仔犬の社会化ってなに?!」「社会化ってそんなに重要なの?」「何すれば良いの?」など、“社会化”に関わる疑問をインストラスターが丁寧に教えます。

残念ながらPUPSのパーティーに参加できるのは生後12ヶ月齢までのワンちゃんたちです。ただ、“社会化”は一生続けていくものです。そこで、他のワンちゃんたちの参考にもなるように、このパーティーではどんなことをしているか紹介していきたいと思います。

それでは5月6日に行われたパーティーに参加してくれたつぶちゃんの写真と共に その様子を見ていきましょう!

まず初めに受付をします。ここではワンちゃんに関するちょっとした質問や、ワクチン接種の確認を行います。

ワンちゃんはそのまま、飼い主さんは靴の裏の消毒をしてからパーティー会場へGO!
つぶちゃんは他のワンちゃんや飼い主さん、そして何やら床に置いてある物に興味津々といった感じでしたが、静かに始まるのを待っていました。エライぞ、つぶちゃん!

インストラクターさんが登場していよいよパーティー開始です。最初に、今日はどういったことをするのか、その際の注意事項などの説明がありました。つぶちゃんも飼い主さんと一緒に静かにお話を聞いていましたよ。

注意事項は・・・
・怒らないこと
・できた時には褒めること
・無理強いをしないこと
・膝の上からワンちゃんが転落しないように気をつけること
などが挙げられました。

はじめのセッションは、『環境への社会化』
私たちが日常当たり前に使っている物や聞いている音のほとんどは、ワンちゃんにとって“当たり前”のものではありません。ワンちゃんたちは、元々“犬社会”の住人です。私たち“人間社会”の住人ではありません。なので、私たちが『そんなモノ怖くなんてないわよ!』ということに対しても、怖がったり、不安になったりすることがあります。ワンちゃんたちにとって、私たち人間社会はまさしくミステリーゾーンということになるのかもしれません。

ここでちょっと考えてみて下さい。毎日の生活が“常にミステリーゾーン”だったらどうでしょうか? あれも怖い!こっちも怖い!あの音は何??? 外に行く度にブルブル…家にいても、いつあの物体がリリリリリィ~ンって鳴き出すかわかんない!ドキドキドキ…と全てがストレスになってしまいます。このストレスを無くし、楽しく生活できるようにしていくのが、“環境への社会化”です。
今回のセッションではまず、普段あまり見慣れないかも?!という、人工芝、ビニールシート、注意を促すバーをワンちゃんたちに紹介しました。

 

 

つぶちゃんがデモ犬になって、ワンちゃんに“新しい物”を紹介する時の方法をインストラクターさんから教えてもらいました。鼻先には大好きな“おやつ”! つぶちゃんはその大好きなおやつに誘われて、人工芝とビニールシートの上へ!バーも見事にクリアーしました。ちょっと尻尾が下がってますが(笑)、大成功です。つぶちゃんはそれぞれの難関をクリアーするたびに、インストラクターさんからご褒美をもらいました。

 

次に環境刺激の中の“音”に対する社会化です。ワンちゃんは私たちよりはるかに優れた聴覚の持ち主です。その為、人間が気づかないような小さな音に対しても反応して大騒ぎになってしまう!など、とにかく“音”に敏感で困ってます!という話をよく聞きます。私たちが日常聞いている音は、犬の社会では聞かれないものだということをまず理解して下さい。ですから、私たちはワンちゃんに対してそれぞれの音を紹介する必要があります。これが“音”に対する社会化です。

太鼓の音が流れた時。
みんな注目!吠えちゃった子もいました
パーティーでは、普段の生活で聞かれる“音”を集めたCDから、電話のベル、チャイム、太鼓などを流してワンちゃん達に紹介しました。掃除機の音は実際に掃除機を見せながら紹介しました。

『人への社会化』

ワンちゃんたちがヒト社会で生きていく為には、人と上手にコミュニケーションをとれることがとても重要なポイントとなります。もし、ワンちゃんが家族以外の人が苦手だとすると、外に散歩に行くことはもちろん、ご自宅にお客様を迎えることも難しくなってしまいます。そこで、人は怖い存在ではない、コミュニケーションはこうやって取るのよ!ということを教えるのが、“人への社会化”です。

ここで重要なことは、“私たち人間も犬に対する挨拶の仕方を学んでおかなくてはならない”ということです。“社会化”はワンちゃんたちのみが学べば良い、経験すれば良い、と言うことではありません。私たち飼い主側も“犬”について学ばなければなりません。その良い例が“犬との挨拶の仕方”。多くの愛犬家の方は、イヌをジィ~ッと見つめ、『あらぁ~ カワイイわねぇ~』とイヌの頭をなでようとします。実はこの行為、イヌ側からすると結構ドキドキな行為です。

初めて会うイヌ同士の挨拶では、お互いの目を見つめ合うことはしません。見つめ合うことによって、“挑発・挑戦”していると思われることがあるからです。ですから、多くの場合、円を描くように回ってお互いのお尻を嗅ぎ合ったり、地面のにおいを嗅ぎながら近づいていったり、どちらかがPlay bowの姿勢をとり、視線をずらして挨拶をします。

頭の上をなでるという行為ですが、これも私たち人間より(たいていの場合)背の低いイヌからすると結構怖い行為です。何を隠そう私も背が低いのですが、背の高い人から急に頭の上に手を出されると、かなり焦ります(^^; そういった経験のない方は、ちょっと想像してみて下さい。あなたの身長の5倍以上のところから、急に“何か”が出てきて自分の頭をポンポンと触ったとしたらどうでしょうか?! しかもその“何か”は自分の頭を軽く掴めるくらいの大きさなんですよ! 結構、怖いと思いませんか?!

ですから、ワンちゃんと挨拶する時は・・・
・ワンちゃんの正面ではなく、横になるように位置を取る
・屈むようにする
・手を出す時は、グーの状態でワンちゃん口元からやや下辺りに出す
・ワンちゃんが確認をして、落ち着いてから、首、胸、耳の後ろ辺りを
ゆっくりとなでる
・持っていればオイシイご褒美を与える

つぶちゃんは人が大好き。インストラクターさんや他の飼い主さん達が順番に回って来てくれる度に大歓迎! なぜなら、皆さんの手の中には“オイシイ”ご褒美があるからです!

人への社会化はなるべく多くの人に“やさしく撫でて”もらったり、“オイシイご褒美”をもらうことで上手に進めることができます。多くの人の中には、小さいお子さんからお年寄りの方まで、男性、女性、背の高い人、低い人、帽子を被っている、メガネを掛けている、ヘルメットを被っている、杖をついている、荷物を持っている……様々な人に会う努力をして下さい。ちなみにウチのひなは中肉中背で髪の短い、薄い男性が苦手でした(^^; 克服した方法は同じ。ご近所の犬好きのおじさんの協力で、ひなに会う度に根気強くご褒美をあげて貰いました。今ではおじさんに会うと喜んで飛んでいきますよ!

 

最後に『イヌの社会化』

『他のイヌと遊ぶことができない…』とか『イヌが大嫌い!』ということをよく聞きます。飼い主さんの解釈としては『ウチの子は自分をイヌだと思ってないのよ』とのこと。本当にそうなのでしょうか? おそらくそのワンちゃんは、イヌ同士の挨拶の仕方、遊び方を知らないだけです。ではなぜそうなってしまったのでしょうか? それはそのワンちゃんが他のワンちゃんたちと“コミュニケーション”する機会が少なかったからです。

“コミュニケーション”とは、会うだけ、お互いを見るだけでは足りません。お互いがイヌ同士のマナーを守って挨拶し、遊び、時には先輩ワンちゃんたちから怒られる!という経験も必要です。これが“イヌの社会化”です。イヌ社会のマナーはイヌにしかわかりません。私たちが教えることはできないのです。私たちにできるのはワンちゃんになるべく沢山のそういった機会を作ってあげることです。それでは飼い主さんは場を提供して、後は見ているだけで良いのでしょうか? そんなことはありません。飼い主さんもイヌの行動についてしっかり学び、ワンちゃんたちの行き過ぎた行動をコントロールし、また反対に、ワンちゃんが消極的な場合は自らがワンちゃんの“お手本”となって、ワンちゃんの輪の中に入っていくことも必要です。

さて、つぶちゃんはどうだったでしょうか?!
つぶちゃんはどちらかと言うと、他のワンちゃんに対しては‘慎重派’なのかもしれませんね。人が近づいて来た時の大はしゃぎ振りはどこへやら…ゆっくり、静かに、控えめに、他のワンちゃんたちとの挨拶を開始!ただし挨拶の方法は問題なかったですよ。ちょうど大きさが似たようなコーギーちゃんがいたので、慎重に挨拶していましたね。

そこに飛んできた!?のが、遊びの誘い方、遊び方がとっても上手だったチワワちゃん。コーギーちゃんとチワワちゃんが大騒ぎで遊んでいたのを、つぶちゃんはア然としながら見ていましたが、しばらく観察した後(笑)、仲間に入れてもらって楽しそうに遊んでいましたよ。

 

 

ちょっとピンボケで見づらいですが、これが Play Bow。イヌが遊びに誘う時のポーズです。コーギーちゃんもチワワちゃんも上手に誘っていますね。

 

つぶちゃんとチワワちゃん。
この前に何度か匂いを嗅ぎあって
いる2匹。チワワちゃんは最初から
優位。つぶちゃんはやっと気持ちに
余裕が出てきた…という感じでした。

 

 

パーティーはこれで終了。だいたい1時間くらいですね。短い!と思うかもしれませんが、ワンちゃんたちにとっては“初めての経験”が多くて、終了後にはクッタリ。つぶちゃんも帰りの車の中では寝ていたようです。
さて、ワンちゃんたちは色々楽しんだようですが、飼い主さんはどうだったでしょうか? ちょっとつぶちゃんの飼い主さんに質問をしてみました。

Q:パーティーは楽しかったですか?
A:はい! 楽しかったです (^^)v

Q :今回のパーティーの目的は“社会化”と言うことだったんですけど、“社会化”と
いう言葉を知ってましたか?
A:はい、知っていました。 出来るだけ多く様々なタイプの人/犬、及び動物に出会う
チャンスを作る。様々な音や環境を体験させる・・・etc. と言うことですよね。

Q:では、今回のパーティーで“社会化”について何か新しい知識は増えましたか?
A:そうですねぇ~ 教え方のところで、おやつを使うことは知っていたのですが、
有効な使い方、褒め方…など、とても参考になりました。

Q:ところでパーティーでのつぶちゃんの様子は飼い主さんの目から見てどうでしたか?
何か新しい一面などが見られましたか?
A:怯えることもなく楽しそうにしていたし、自宅にいる時よりかなり良い子にしていた
ので安心しました。外面が良い?! でも・・・と言うか、やっぱり“食い気が一番
なんだなぁ~”というのが、情けないけど正直な感想です(^^;

Q:では最後に今回のパーティーに参加した感想を聞かせて下さい
A:1つの同じ訓練でもそれぞれバラバラの反応を示すワンちゃん達でしたが、個々の
個性はそのままに、無理強いはせず、臨機応変に対応する方法があることを知ることが
できました。興味深く色々と実践することができました。

 

社会化について少しは理解できましたか? “しつけ”の話でもよく出てきますが、社会化に関しても「生後3~12週齢までが社会期! この時期にやらないとダメ!」とか「この時期を過ぎたらやらなくても良い」といったようなことが時々聞かれます。まったくそんなことはありません。確かに生後14週齢まで人と接したことがないワンちゃんは、その後いくらヒト社会への社会化をしたとしても、ヒト社会で暮らしていくことは難しいと言われています。しかし、日本でペットとして飼われている多くのワンちゃんたちは、この時期には既に人との生活を始めていますから“ヒト社会への社会化はできない”ということはありません。むしろ、どんな年齢のワンちゃんであっても社会化をする、やり続ける必要があるということです。なにも難しく考える必要はありません。“色々な経験をさせ、それに対して正しい反応を教える” それだけです。

私はひなと散歩に行く度に色々と教えています。「あぁ~ハトだね、あれは。 はい、そのまま通り過ぎて!」「あっ、ニャンコだねぇ~ 追いかけないでぇ~」 「おぉっ!工事しているねぇ~スゴイ音だねぇ~ ちょっとビックリしたけどちゃんと静かに通れたねぇ~ エライぞぉ!」 「あっ、新聞配達のお兄さんだねぇ~ 挨拶しておいでぇ~」など等… ちゃんとできたら、しっかりご褒美! 日々こんなことをしています。皆さんもちょっとしたことから始めてみませんか?!

 

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