みなさん、ご自分のワンちゃんが何を伝えたいのか理解できていますか? ワンちゃんたちはいつも、「あれが欲しい!」「これがしたい!」と要求を訴えているだけではありません。「ママさん、大丈夫?」と尋ねたり、「ねぇねぇ、アレどう思う?」と意見を求めたり、「なんか面倒くさいんだけど!」と文句を言ったり… 結構色々なことを言ってきます。当たり前の話ですが、犬は私たち人間とだけではなく、犬仲間同士でもアレヤコレヤ色々な話をしています。人間同様、おしゃべりな動物なのかもしれません(笑)
以前、ある大学の教授が「私の将来の目標は、(正確な)犬語翻訳機を使って犬と話すことです!」とおっしゃっていました。私はそれを聞いて、「翻訳機を使って話せたら、毎日、犬から説教されそうだなぁ~ それはイヤかも…」と、真面目に思いました(笑) もし、ひながその機械を手に入れたら?! 朝から「早く起きなさいよぉ~」だとか、「帰り遅くないぃ~?」とか、「もうちょっとちゃんとしなさいよ!」とか…色々言われそうです(^^; 彼女は結構真面目というか、キッチリしているタイプなんですよ... そんな生活はイヤだ…と、思う私であります(^^;

と言うわけで、私は今の“犬との会話”がとても居心地が良いと感じています。全てを理解することはできないけれど、だいたい理解できる。お互い動物種が違うので譲歩すべきところは譲歩し、曖昧な部分は曖昧なままで良いのではないでしょうか? 全てを理解できたからといって、関係が上手くいくわけではありません。であれば曖昧な部分を残し、「犬だからしょうがないよねぇ~」「人間だからわかるわけないよねぇ~」と逃げ道の様に使っても良いのではないでしょうか?
ただ、その逃げ道を乱用してはいけないと思います。お互いを理解する努力は必要です。犬はお家に迎えられたその日から、しっかりとみなさんの様子を観察し、どうすれば自分が“心地よく”生きていけるかを熟考し、実践しています。では、私たちはどうでしょうか? みなさん、ワンちゃんの行動をしっかり観察して、何を言っているのか、どう反応するのか、それによって今後どのような行動が見られるのか考えたことはありますか?

余談ですが、人間は先を見据えて行動を起こすことができますが、犬は『今どうすべきか?!』を考えて行動を起こします。犬にとって重要なのは『現在』であって、未来ではありません。過去の経験は『現在』の行動を決めるエッセンスになります。そして犬にとって“生き延びること”は最重要事項なので、おのずと『現在』すべき判断は“生き延びる為”の判断となります。ですから、犬が記憶している経験は、自分にとって良い結果がもたらされた経験、難から逃れられた経験、生き延びる為にとった行動など、生きる為に“前向きな経験”を記憶していると推測できます。時にはその“前向きな姿”が痛々しく感じる時もありますが…
もし、みなさんのワンちゃんが過去に辛い体験をしていたとしても、それを不憫に思い「かわいそうにねぇ…」と後向きに過ごさないで下さい。ワンちゃんは前向きに生きようとしています。その前向きな姿に寄り添ってあげて下さい。過去の経験を嘆くのではなく、今、頑張って生きているワンちゃんを見守ってあげて下さい。みなさんがポジティブな気持ちでワンちゃんと接してあげれば、ワンちゃんは『現在』を幸せに過ごすことができますよ。それは未来へ繋がる幸せではなでしょうか?!

私見ですが、犬の観察力はかなり優秀です。そして、そこから導き出される反応はとてもシンプルです。私は飼い主さんの言動とワンちゃんの行動を見ることで、普段のお家の中の様子や力関係?!などを推察することができます。飼い主さんはかなり驚かれますが、犬の反応・行動は至ってシンプルなので、それをそのまま解釈すると、自ずと状況が見えてくるわけです。もちろん中には複雑怪奇?!な反応・行動をする犬もいますが(^^; その話はいずれまた!

繰り返しになりますが、犬の行動は一見複雑そうに見えて、その大半はシンプルです。もちろん、犬の行動を“犬”として捉えた場合です。そして、ココが皆さんの間違えがちなところです。

まず、ココを押さえて下さい。

犬は犬であって犬でしかないので、犬として行動しています。
人間とは違う理解の仕方をし、人間とは違う反応(=行動)をします。

犬は人間の様に“建て前と本音”や“裏事情?!”飼い主さん同士の関係&飼い主さん以外の人と犬の関係)を考慮して反応しているわけではありません。好きなものは好きだし、嫌いなものは嫌いなのです。犬は感情をストレートに表現しています。また、犬は一度得た“特権”はいつでも、どこでも、誰に対しても通用する、通用すべきだ!と考えています。通用しない場合には、その人物はそのリストから外れる(=その件に関しては用無し!)ということです。例えば、いつもお裾分けをくれる人は“お裾分けリスト”の上位に載っていますが、くれない人は“お裾分けリスト”のランク外になるので、その時間は傍に行く必要がない…と判断するわけです。至ってシンプルな結論です。

そしてもう1つ。

本やテレビなどの情報に振り回されずに、アナタのワンちゃんが
どういった行動をとっているかをまずは観察して下さい。
アナタのワンちゃんの性格を考えてみて下さい。
ご自身の行動、対応の仕方を振り返ってみて下さい。

本やテレビなどで紹介されていることは、あくまでも「多くの犬がこういう行動をとります」という意味です。多くの犬とはどれくらいのパーセンテージなのか?という疑問や、飼育環境はどうなっているのか?生育歴は?など様々な相違点が出てくるはずです。ですから、あくまでも紹介されていることは平均的なことであって、アナタのワンちゃんに全てが当てはまるはずがないのです。例えばウチのひなさんは、我が家に来た当初は“1人にされる”ことに不安を感じていました。ケージなどに入っていれば問題ないのですが、かといって私がトイレに行く、お風呂に入るなど日常生活で頻繁に起こることの度にケージに入れるのも大変ですし、反対に、買い物に行く、仕事に行くなど長時間に渡ってケージの中に入れておくのもどうかと考えて、色々な試みをしてみました。その結果、1番最良の方法が、私が部屋を出る、外出する度に、「〇〇に行って来るね」と言ってから出て行くことでした。しかしこの方法は一般的に、外出する際には特に『絶対にやってはいけない対応』になっているのではないでしょうか? しかし、ひなを始め、何頭かのワンちゃんには最適な対応方法になっています。本に書いてあることが絶対!ではありません。また、どんな犬にも効果的なわけでもありません。犬の性格は様々です。10頭いれば、10頭が違う反応をします。もちろん共通するところはあります。それは同じ犬という動物ですから! 根元(=犬という動物)は一緒であっても、咲かせる花(=個々の個性)に違いが出てきます。それを見極めて対応してあげて欲しいと思います。
また、私の先生でもあるイギリス人ドッグトレーナー(攻撃行動のスペシャリスト)Angela Stockdaleに、「犬に関する教科書(=知識)は机の上にあるのではなく、目の前にいる犬たちが教えてくれることだ。先生は犬たちであって、決して本ではない!」と言われたことがあります。まさしくそうです!!! 何か困ったことが起きたら、まず、本ではなく、アナタのワンちゃんの行動を見て下さい。そしてご自身の行動・対応を振り返ってみて下さい。大抵そこに、解決へのヒントが隠れていますよ。

ということで、難しい話ばかりしてきたので、最後にリラックスして犬×犬、犬×猫の会話を見てみて下さい。想像力を働かせて、それぞれの会話に吹き出しをつけてみて下さい(笑)

≪犬×犬≫

ひなと1歳のバーニー君です。実はこの前に、バーニー君がもう1頭いたワンちゃんとひなに吠えかかりまして(^^; 本人はどうやって挨拶したら良いのか分からず大騒ぎしていたようです。で、すかさず、ひな先生から「そんなことしないの!ウルサイ!!」の一撃が… バーニー君びっくり!

 

その後、バーニー君ひなとの距離をしっかり取り、
緊張しつつ、静かにご挨拶(^^;

 

 

 

 

 

でも、コワイィ~~~~~~~!!
と、お父さんの後ろに隠れて様子を伺っていました(笑)

 

 

 

 

 

 

で、最後は部屋の隅に隠れてイケナイことはしてません
…のポーズひなの顔も緩んでいます。
「そっ、騒がなければ良いのよ!」だそうです(^^;;

 

  

次のセッションの時に会ったバーニー君。しっかり、ひな先生を覚えていたようです。最初からひなに対しては気を使っていました。だからなのか、ひなバーニー君を注意深く監視!はしていなかったみたいです。でももちろんチェック対象だったようですが!(笑)

 

バーニー君は新しいお友達を見つけたようです。
なんとか仲良くなろうと、一生懸命アプローチをしています。
ダックスちゃん、他のワンちゃんがちょっと苦手 しかし、ここ数回のセッション参加で、吠えずに対応できるようになってきました(^^)v と、話を戻して! バーニー君ダックスちゃんと遊びたくて近づきます。最初は問題ないのですが、ダックスちゃん反応の鈍さに?!焦れて、襲いかかってしまうことがしばしば(^^;

 

 

バーニー君は焦れてくると、一瞬で目つきが鋭くなるので、その度に、ひな先生が出動!

 

 

逆に目が穏やかで、雰囲気が緩んでいるは、ひな先生もリラックス(笑)

 

お2人さん仲良くねぇ~

 

≪犬×猫≫

ひな猫に興味津々。しかし、ひなと遊んでくれる猫はなかなかいません(^^; 今回、病院のスタッフさんが、「この子は犬、全然平気ですよぉ~」と言うので、病院の猫さんと遊ばせてもらいました。良かったねぇ~ひなさん!

 

 

 

しかぁ~し、案の定?!ひなの扱いが手荒過ぎ!!
小突きまわすは、(軽くですが)カフカフ咬むは…

 

 

 

 

 

で、さすがに怒った猫さんの猫パンチ炸裂(爆)

 

 

 

 

 

その後、しばらくは低姿勢?いくらウレシクなっちゃっても、
手荒に扱ってはいけませんよ、ひなさん!

 

 

バーニー君と話している時と猫さんと話している時のひなの態度が全然違いますよね。バーニー君にチェックを入れている時のひなは、堂々としています。頭も上がり、目も真っ直ぐ相手を見据え、尻尾もピンっと上がっています。まさしく“ひな先生!”(笑) それに比べると、猫さんに対している時は遊んでもらっている為か?!低姿勢です(笑) 頭を下げ、目つきも柔らか、肩から腰にかけての筋肉も緩んでいます。そして、怒られた後は、さらに低姿勢になっています。尻尾も下がり、まさしく“シュン…”となっていますね。

犬は声ではあまり会話をしませんが、体で会話をしています。目つき、姿勢、立ち位置、尻尾の状態、耳の状態、筋肉の状態、毛の状態、…体の色々な部位を使って話しかけてきています。犬との会話は体の一部を見ただけではわかりません。例えば、尻尾を振っていれば喜んでいる!は間違いです。犬は嬉しい時も、警戒している時も、不安な時も尻尾を振ります。ですから、体全体を見て、シンプルに読み解いて下さい。その方がストレートに犬の言葉が伝わってきますよ。

 

最後に、飼い主さんがワンちゃんとの会話を紹介

Funタスク練習中のヨーキーちゃんです。ちょっとダレています(笑)

飼い主さんが「ちゃんとオスワリしてやってよぉ~」と言うと、
「えぇ~~~ これでいいじゃん~~~」と、ダレた状態でチャレンジそうくるかぁ…ヨーキーちゃん(一同爆笑!)

確かにやっていると思う…思う…思うけどぉ~ちょっとそれはぁ~~ねぇ~~ちゃんとやって欲しいなぁ~~
で、飼い主さんは仕切り直し!「最初からもう1回やろう! 起立(=オスワリ)してぇ~“礼!”」

やればできるじゃん!スバラシイ(^^)b

 

犬の行動への理解度は、犬との共同生活の質を変えていきます。犬への理解度が低ければ、お互いにとって苦痛な共同生活になってしまいます。逆に高ければ、とても楽な共同生活が送れます。もっと、犬との会話を楽しんで下さい。犬は良い話し相手になってくれますよ!

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